天皇杯等三賞の経過と概要
1.天皇杯、内閣総理大臣賞、振興会会長賞の三賞の経過
(1) 選賞対象部門の変遷
  天皇杯、内閣総理大臣賞、日本農林漁業振興会会長賞の三賞は、農林水産祭(農業祭)の表彰行事に参加して農林水産大臣(農林大臣)賞を受賞した出品財のうち、その性質・内容が抜群で広く社会の賞賛に値する業績については、天皇杯、それに次ぐ業績については内閣総理大臣賞又は日本農林漁業振興会会長賞として選考されています。
 
この三賞の選賞対象部門は、第1回から第17回までは、農産、園芸、畜産、蚕糸、林産、水産の6部門でしたが、第18回からは「むらづくり」部門を新たに加え、7部門となりました。
 第22回に、選賞対象部門の検討が行われ、農産部門に含まれていた工芸作物などの地域特産物にかかる技術・経営等に関する出品財は、蚕糸部門と合体して「蚕糸・地域特産部門」となり、現在に至っています。

(2) 三賞授与の変遷
ア 天皇杯  
 
  天皇杯は、第1回から農産、園芸、畜産、蚕糸、林産及び水産の6部門に下賜されましたが、第18回(昭和54年度)から「むらづくり」部門が農林水産祭参加表彰行事に追加されて天皇杯が下賜され、現在は7部門の最優秀者に天皇杯が授与されています。

イ 内閣総理大臣賞
  内閣総理大臣賞は、第16回(昭和52年度)から授与されることとなり、第16回及び第17回は6部門の天皇杯に次ぐ優秀者に受賞されました。また、「むらづくり」部門が設置された第18回以降は、天皇杯同様7部門の優秀者に授与されてきましたが、第54回から女性の活躍を新たに追加し、今日に至っています。   


ウ 日本農林漁業振興会会長賞
 日本農林漁業振興会会長賞は、第1回から天皇杯に次ぐ優秀者に授与(第15回までは部門毎に2名、ただし、1名の年度がある。)されていましたが、内閣総理大臣賞が授与されることとなって以来、部門毎に原則として1名が授与されています。さらに第54回から、女性の活躍が新たに追加され今日に至っています。
 
なお、「むらづくり」部門が設置されて以来、「むらづくり」部門には日本農林漁業振興会会長賞の授与は行われませんでしたが、第27回(昭和63年度)から6部門同様授与されるようになりました。
2.三賞選賞のための農林水産祭中央審査委員会
(1) 中央審査委員会の構成
 天皇杯等三賞の選定のために農林水産祭中央審査委員会が設置されていますが、委員は学識経験者、農林水産関係団体、農林水産省から選ばれ、農林水産大臣の委嘱を受けています。
 また、会長から委嘱された専門委員が設けられて慎重審議の体制がとられています。

(2) 分科会の設置と機能
 委員会は、審査の公平性、的確性を確保するため、選賞対象部門に対応する審査のための分科会(農産、園芸、畜産、蚕糸・地域特産、林産、水産、経営・生活、むらづくりの8分科会)を設けており、分科会毎に委員及び専門委員が配置されて、表彰行事主催者から提出された農林水産大臣賞選賞審査報告書に基づく書類審査のほか、現地調査を含む慎重な審査を実施しています。

 この分科会における三賞候補の選定をもとに、中央審査委員会は総会を開催し、三賞の決定を行っています。
 なお、経営分科会では、経営にかかる出品財を各分科会の審査に委ねる分類を行うほか、各分科会で審査された三賞候補の出品財を経営的な観点から審査することになっています。

(3) 中央審査委員会総会
 中央審査委員会総会は通常2回開催されており、その第1回においては、会長及び会長代理の決定、専門委員の委嘱、分科会の主査の指名、委員及び専門委員の分属、審査日程等についての決定を行っています。
 第2回目の総会においては、各分科会における三賞候補の選定結果に基づいて審議し、三賞の決定を行っています。